公庫の創業者支援資金
去る金曜日に沖縄公庫事務連絡協議会に参加してきました。
その事務連絡協議会で、衝撃的な制度の緩和がありましたのでご報告です。
これまでは、公庫の新規創業の際の自己資金用件は、1/3でした。
自己資金1/3とは、
「総所要金額に対して1/3は自己資金を用意してください。2/3については融資を行います」
というものです。
つまり、創業当初に事業の運転資金や設備資金で総額300万円が必要なら、
100万円を自分で用意し、差額の200万円を融資にて調達できます、というものです。
しかし、政策的な理由から?今年度より新規創業融資の自己資金用件が、1/10へと大幅緩和されました。
何の実績もない新規創業に対して、自己資金は1割でオッケーという事です。
何が何でもデフレから脱却させたい(バブルを起こしたい?)現政権の意向の表れなのでしょうか??
制度上、必要資金の9割を融資にて調達できるからと言って、本当に9割も融資に頼ると、ほとんど綱渡りに近い危険な資金繰りになることが予想されます。
例えば、開業に必要な資金が500万円だとして、1割の50万円を自己資金にて、残りの450万円を融資にて調達して開業したとします。
450万円を7年で返済するとしたら、450万円÷84ヶ月=5.4万円弱/月の返済となります。
年間の返済額は5.4万円×12ヶ月=648,000円です。
創業者が個人事業主で、生活するうえで300万円の手取りが必要なら、
300万円手取り+648,000円の返済元金+所得税納税=必要所得
となります。
さらに、上記の必要所得に店の運営費(固定費)を足して、限界利益率(粗利)で割り戻すと、必要売上高が見えてきます。
消費税の簡易課税制度に倣うと、各事業の粗利は以下の通りです。
第1種事業(卸売業)→課税仕入れ9割=粗利1割
第2種事業(小売業)→課税仕入れ8割=2割
第3種事業(農業・建設業・・・)→課税仕入れ7割=3割
第4種事業(飲食店等)→課税仕入れ6割=4割
第5種事業(サービス業)→課税仕入れ5割=粗利5割
となります。
仮に上記の450万円の融資を受けた300万円の手取りが必要な方が小売業を行い、かつ、店の固定費が20万円/月の場合、店の必要売上高をシュミレーションしてみると、
①必要所得
300万円(手取り)+64.8万円(返済元金)+所得税24万円=388.8万円。
※所得税24万円=[300万円+64.8万円-38万円(基礎控除)]×税率10%-控除額9.75万円
②固定費
20万円/月×12ヶ月=240万円/年
③粗利
小売業は第2種事業の為、20%と仮定。
計算すると・・・、
(388.8万円+240万円)÷20%=3,144万円となります。
必要手取りが300万円というのは決して贅沢ではありませんし、店舗の固定費が20万円というのもすごく高いわけではないと思います。
それでも、450万円を借り入れると必要売上高は3,144万円となってしまいます。
さらに、よくよく考えてみると・・・、
広告費などは本当に20万円/月の範囲内で十分でしょうか?
小売業は立地が重要で、かつ、沖縄の場合は駐車場の有無も大きな要素です。20万円の範囲内に家賃は収まるでしょうか?
固定費20万円で従業員のバイト代を賄えるでしょうか?
こうして考えてみると、固定費はもう少しかかると思います。
そうすると、必要売上高はさらにアップします。
初年度で本当に3,144万円以上の売上高が達成できるのでしょうか?
年中無休の店でも、86,000円強の日商が必要となります。
何をいくらで売るお店なのか?にもよりますが、相当に高いハードルであることは間違いありません。
政策的な?理由によって自己資金要件が1/10に緩和されたのかもしれませんが、実際に1割の自己資金で開業する事は、綱渡り的な事業になりそうです。
やはり、自己資金は、3割あるいは1/3程度用意したほうが、良いと思いました。
その事務連絡協議会で、衝撃的な制度の緩和がありましたのでご報告です。
これまでは、公庫の新規創業の際の自己資金用件は、1/3でした。
自己資金1/3とは、
「総所要金額に対して1/3は自己資金を用意してください。2/3については融資を行います」
というものです。
つまり、創業当初に事業の運転資金や設備資金で総額300万円が必要なら、
100万円を自分で用意し、差額の200万円を融資にて調達できます、というものです。
しかし、政策的な理由から?今年度より新規創業融資の自己資金用件が、1/10へと大幅緩和されました。
何の実績もない新規創業に対して、自己資金は1割でオッケーという事です。
何が何でもデフレから脱却させたい(バブルを起こしたい?)現政権の意向の表れなのでしょうか??
制度上、必要資金の9割を融資にて調達できるからと言って、本当に9割も融資に頼ると、ほとんど綱渡りに近い危険な資金繰りになることが予想されます。
例えば、開業に必要な資金が500万円だとして、1割の50万円を自己資金にて、残りの450万円を融資にて調達して開業したとします。
450万円を7年で返済するとしたら、450万円÷84ヶ月=5.4万円弱/月の返済となります。
年間の返済額は5.4万円×12ヶ月=648,000円です。
創業者が個人事業主で、生活するうえで300万円の手取りが必要なら、
300万円手取り+648,000円の返済元金+所得税納税=必要所得
となります。
さらに、上記の必要所得に店の運営費(固定費)を足して、限界利益率(粗利)で割り戻すと、必要売上高が見えてきます。
消費税の簡易課税制度に倣うと、各事業の粗利は以下の通りです。
第1種事業(卸売業)→課税仕入れ9割=粗利1割
第2種事業(小売業)→課税仕入れ8割=2割
第3種事業(農業・建設業・・・)→課税仕入れ7割=3割
第4種事業(飲食店等)→課税仕入れ6割=4割
第5種事業(サービス業)→課税仕入れ5割=粗利5割
となります。
仮に上記の450万円の融資を受けた300万円の手取りが必要な方が小売業を行い、かつ、店の固定費が20万円/月の場合、店の必要売上高をシュミレーションしてみると、
①必要所得
300万円(手取り)+64.8万円(返済元金)+所得税24万円=388.8万円。
※所得税24万円=[300万円+64.8万円-38万円(基礎控除)]×税率10%-控除額9.75万円
②固定費
20万円/月×12ヶ月=240万円/年
③粗利
小売業は第2種事業の為、20%と仮定。
計算すると・・・、
(388.8万円+240万円)÷20%=3,144万円となります。
必要手取りが300万円というのは決して贅沢ではありませんし、店舗の固定費が20万円というのもすごく高いわけではないと思います。
それでも、450万円を借り入れると必要売上高は3,144万円となってしまいます。
さらに、よくよく考えてみると・・・、
広告費などは本当に20万円/月の範囲内で十分でしょうか?
小売業は立地が重要で、かつ、沖縄の場合は駐車場の有無も大きな要素です。20万円の範囲内に家賃は収まるでしょうか?
固定費20万円で従業員のバイト代を賄えるでしょうか?
こうして考えてみると、固定費はもう少しかかると思います。
そうすると、必要売上高はさらにアップします。
初年度で本当に3,144万円以上の売上高が達成できるのでしょうか?
年中無休の店でも、86,000円強の日商が必要となります。
何をいくらで売るお店なのか?にもよりますが、相当に高いハードルであることは間違いありません。
政策的な?理由によって自己資金要件が1/10に緩和されたのかもしれませんが、実際に1割の自己資金で開業する事は、綱渡り的な事業になりそうです。
やはり、自己資金は、3割あるいは1/3程度用意したほうが、良いと思いました。